スペインのタラベラ焼をご存知ですか?
タラベラ焼きは素朴で温かみのあるスペインの陶器です。
スペインには地方によって様々な特徴のある焼き物があります。
タラベラ焼きもその1つで、その名の通りスペインの首都であるマドリッド近郊のタラベラ・デ・ラ・レイナという小さな街で作られている陶器です。
この街は焼き物の街として有名で、多くの陶器工場やお店があります。
そのほとんどが家族経営などの小規模なもので、それぞれのお店によって色使いや絵柄に特色があります。
タラベラ焼きに限らず、スペインの陶器は訪れる観光客にとても人気がありますが、陶器製品は重い上に壊れやすいので、小さい物以外は旅行者にはなかなか手が出ません。
またタラベラ焼きはそのほとんどが手作り生産のため、均一な製品を大量に作ることが難しく、あまり輸出されていないのが現状なんです。
他のヨーロッパの国々との違いは、アラビア文化の影響が非常に色濃く残っているところでひゃないでしょうか。
ヨーロッパでは中国磁器が大流行した時代もあり、ポルトガルなどは特に中国を感じさせるものが多いのに、スペインはやはりアラビア。オリエンタルと言っても中東やシルクロードを思わせる色合いが残っています。
そして最大の特徴は、絵付けの仕方です。
16世紀、当時日が沈まない国であったスペイン王フェリペ2世の好みに合わせて、わざわざオランダのデルフトから招かれた職人たちが指導。
それまで幾何学模様がメインであったスペインには、なかった技法がなんと今から350年くらい前に伝わったのです。
また最も伝統的なモチーフは、タラベラ・プエンテ焼きの場合、カントリーサイドでのハンティング風景、または狩猟用の動物たちです。
スペイン人には、現在でも非常に人気のあるモチーフとなっています。
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