ノリタケブランドは名古屋が誇る日本を代表する食器製造ブランドです。
本業のノリタケ食器はコレクションブランドであるオールドノリタケを生み出した歴史を持ち、さらに創業の地理を生かして100周年を記念して「ノリタケの森」を造ったそうです。
名古屋駅前の一等地にあるノリタケの森は各種の建造物に対する表彰を受けており、ブランドとしての評価を高める一方です。
また、食器製造で養ったノウハウや技術を元に「国内唯一の研削・研磨の総合メーカー」としての顔があります。
食器製造で培った技術やノウハウをもとに、事業フィールドを拡大。
この研削砥石をはじめとする工業機材事業、電子事業、セラミック事業、環境エンジニアリング事業と、創設者のあくなき起業家精神を受け継ぎ、多角化を進めてきました。
ノリタケカンパニー(1981年に日本陶器から社名変更)は1904年(明治37年)に設立されましたが、その始まりは江戸時代末期にまでさかのぼることとなります。
江戸で馬具商を営んでいた六代森村市左衛門は、ペリー来航以来、欧米から様々な文化が流入する一方で日本の金が海外に流出し、日本の国力がどんどん弱くなってしまうことを憂慮していました。
1858年(安政5年)、日米修好通商条約批准のためアメリカに派遣された幕府使節団のために、日本円を当時の国際通貨であるメキシコドルに換金する仕事を引き受けた際、貨幣の交換比率が悪く、日本は損をしていることに森村市左衛門は気づいていたのだそうです。
また、横浜で舶来品を買って江戸で売る商売も手掛けていたため、横浜で日本の金銀が安く買われて外国へ流出していく様子も見ていました。
そこで、森村市左衛門は師と仰ぐ福沢諭吉に相談し、国外に流出した金を取り戻すには輸出貿易で外貨を稼ぐのが一番だとの助言を得ました。
この福沢諭吉のアドバイスにより、森村市左衛門は輸出貿易に乗り出す決意をしたのだとか。
長い鎖国時代が明けたばかりで、まだまだ海外は遠い存在だった時代のことでした。
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